最近コミュ力が中途半端に上がったせいで、議論を間違った方向に導いていないか不安

リチャード 伊真岡 blog

最近コミュ力が中途半端に上がったせいで、議論を間違った方向に導いていないか不安

最近自分のコミュニケーション力が上がったと感じていて、主な理由は過去3回の転職と、2つの大きな技術カンファレンス運営の手伝いをしたからだと思います(今はカンファレンス運営は手伝っていません)。

しかし、中途半端に上がったコミュ力のせいで、自分が議論を間違った方向に導いてないか不安になることが増えました。自分の無知ゆえに間違ったまま押し切ってしまわなかったか、議論を誘導「できてしまった」ときほど後々悩んでいます。

コミュニケーション力を定義するのは難しいですが、仕事(社外技術コミュニティの活動含む)の文脈でいうと「文字や口頭などでの情報伝達を組み合わせて議論を誘導し、仕事を前にすすめるためのアクションを起こす・起こさせる能力」みたいにとらえています。あくまで私の捉え方です。

今の会社で技術広報になってから、文章を書くスピードが上がり、社内でGoogle Docs職人として活躍しています。文字で情報を伝えるのが早くなったことは、コミュニケーション力の向上に大きく寄与しています。私はよくGoogle Docsで文書を共有する、その後口頭で同内容を説明するという二重のコミュニケーションを使うのですが「文書を見ていない」「文書だけ・口頭だけでは誤解してしまう」というのを防ぐことができます。

Google Docsの有料機能(多分)で閲覧データも見えます。

いつも「最も早く情報を伝えるコミュニケーション経路」というのを考えていて、口頭では「一対一」「2~3人を集めて話す」「多人数でミーティング」と使い分け、他の人の忙しさや伝えたい情報量などをもとに、最短の方法を選ぶよう心がけています。ミーティングは効率よく複数人に情報伝達できますが、開催までの手間を考えると一対一の会話を複数人に対し繰り返す方が早いことはよくあります。一方で一対一の会話を繰り返すと3人目、4人目と話すうちに議論が二転三転して収束に時間がかかることがあります。SlackやGoogle Docs、同じ人に複数回一対一で話す、など文字と口頭のコミュニケーションを組み合わせて議論を進めていくにはコツが必要だといつも感じています。

それから、もともと引っ込み思案な私にとって「キャラを作る」ことが重要で、今の会社では社内でも「リチャード 伊真岡」(本名ではない)を名乗っているので、「ややウザいが本来の3割り増しくらいで会話力が向上した人間」だと思いこんでいます。冗談みたいな話ですが、私にとっては重要なことです。

あとはソースコードを書く時間が減ってしまったことで「集中モード」に入らなくなったので、脳を会話モードへの切り替えるのが楽になりました。

コミュニケーション力が上がるきっかけとなった転職も、初回の転職時は周りとなじむまでに時間がかかり、技術力の不足と相まってまともな戦力として会社や周りの人々に貢献することは出来ませんでした。しかし転職も繰り返すとなれるもので、知らなかった人たちとそつなくコミュニケーションをして仕事をこなせるまでのスピードが上がったことを感じます。カンファレンス運営もそれまで知らなかった人たちばかりの中に入っていくので、引っ込み思案になっている場ではありません。適切に、むしろ過剰なくらいコミュニケーションをして、懸念は可能な限り早くあぶりだして仕事を前に進める必要があります。

そういった経験を経て、私は社内では「おそらく平均よりはコミュニケーション力は上ではないか?」と思う程度ではあるのですが、それゆえ議論を誘導「できてしまう」ことがあります。もちろん自分が正しいと思う方向があり、こういうアクションを起こしたい・起こして欲しいと思うから誘導するのですが、私が持たない様々な知識をもち、様々な能力をもった周りの人々を差し置いて、私が思うような結論で本当に正しいのかいつも不安には思っています。特に反対意見が無いほど不安は大きくなりがちです。

結局その不安を克服するには、「コミュ力を捨てる」が答えではないと思っています。

ひとつは更にコミュ力を上げることが必要で、他者に対するリスペクトをもって相手の意見を丁寧に聞き出せるまで対話を行うことかと思います。中途半端なコミュ力でとどまらず、不安だからと自分の意見を控えるでもなく、更にコミュ力を磨いて相手の意見を正確かつ十分に引き出すこと。

もうひとつ、私は「技術」広報なので、自分自身の考えのをより正しいものにしていくため、技術に対し深く幅広く、知識と経験を積み重ね続ける必要があると思っています。

とにかく、コミュ力も技術も、今のままでは中途半端なので、気を引き締めないといけないですね。しかし、とりあえず土日はゆっくりやすむ。